Vol.37 Re: 柿の木

十数年前の話です。
母が入院していた時に、「家の柿の木の葉が、こんなに色づいたよ」と
父が柿の葉を本に挟み、お見舞いに行ったことがあったそうです。
それから数年後、父は亡くなり、
その後、家の建て替えの際に、柿の木は切ってしまいました。
母は、今でも父からの「柿の葉」を大切に飾っています。
――― 数年前に母からその話を聞いたAさんは、
柿の季節になると、「柿の実と葉のついた枝」を、プレゼントしてくださいます。
今年の柿は、大きな実が2つ仲良く並んでいます。
母は嬉しそうに、添えられたメッセージと共に、仏壇にお供えしていました。
――― 母の「思い出話」を、覚えていてくれる人がいる。
コロナ禍で外出機会が減り、家にいることが多くなった母にとって、
人とのつながりを感じられる、とても温かな出来事でした。

思い出す「思い出」があること、
一緒に思い出してくれる人がいること、
なんだか、とても幸せな気持ちになれました。